曲:★★★★★ 演奏:★★★★ ジャズ入門度:★★★★★ モーガン入門度:★★★★ 評価:★★★★
リー・モーガンの代表作とされている本作は、一般的にはエイトビートを主体としたジャズ・ロックのハシリと言われている。とはいっても楽器構成は既存のジャズとなんら変わりないオーソドックスなクインテットとあっ
て、サウンドやフレーズだけを聴いても今の耳ではさして斬新とは思えない。ごく簡単に言えば、ここで展開されているのはノリが良く親しみやすいジャズ。テーマなどはひとヒネリしながらもR&Bやファンクのようにわかりやすく、曲がよく練られたものであることが明白にわかる。そういった曲の完成度こそが最大の美点で、やんちゃでどこかカッコつけたモーガンのトランペットとキャラクターが、全体のサウンドと軽快な曲によくマッ
チしているところがまた魅力。その溌剌としたサウンドの印象はヒギンズのいつも以上に小気味良いドラムといつになくアッケラカンとしたジョー・ヘンダーソンに負うところも大きい。リー・モーガンの最初の1枚として聴
かれることが多いこのアルバム、わかりやすい反面、ノリの良さととっつきやすさが全体に現れていて、それが統一感を生み出しているとはいえ、必ずしもモーガンのすべてを表しているわけではないと思う。(2008
年6月23日) | [Recording Date] 1963/12/21
[1] The Sidewinder [2] Totem Pole [3] Gary's Notebook [4] Boy, What A Night [5] Hocus-Pocus [6] Tetem Pole (alt take)
Lee Morgan (tp) Joe Henderson (ts) Barry Harris (p) Bob Cranshaw (b) Billy Higgins (ds) |
コメント一覧