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御料車「センチュリーロイヤル」とは?天皇陛下退位後はどうなる?
天皇陛下の御料車「センチュリーロイヤル」とは?トヨタ センチュリーロイヤルの仕様、価格、歴代の御料車紹介、皇族方の愛車を含め、知られざる全貌を徹底紹介します。天皇陛下の退位がせまるなかセンチュリーロイヤルはどうなる?皇ナンバーについても解説します。
この記事の目次
皇ナンバーの御料車とは?
御料車とは高貴な人が所有あるいは利用する車のこと。日本では主に天皇皇后両陛下や皇族が移動する際に使われる車を指します。異なるナンバープレートを付けた2種類の御料車があり、いずれもフロントに「菊の紋章」が付けられます。
御料車専用の特別なナンバープレートである「皇ナンバー」は、金銀配色の円形に「皇3」「皇5」というように2文字が縦に表示されています。皇ナンバーが付けられた車両は、国会開会式や全国戦没者追悼式、国賓待遇の皇居への送迎など、皇室の公的な行事などに使われます。
通常の「品川ナンバー」が付けられた車は「公用車」と呼ばれ、それ以外の通常公務に使用されます。
現在、皇ナンバーの御料車は、トヨタが製造した「センチュリーロイヤル」。2006年7月に初めて宮内庁に納入され、同年9月の国会開会式に使用されたのが始まりとなっています。
特別仕様の「センチュリーロイヤル」とはどのような車となっているのでしょうか。
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センチュリーロイヤルとはどのような車?
トヨタ センチュリーロイヤル
センチュリーロイヤルはトヨタ自動車が2006年から2008年まで製造していた車です。現在「御料車」として主に天皇皇后陛下が移動する際に使用されています。特別仕様車となっているため、残念ながら一般販売はされていません。
センチュリーロイヤルの先代御料車として使用されていたのは「日産
プリンスロイヤル」でした。プリンスロイヤルが老朽化したことを受け、次期御料車開発を打診していた宮内庁でしたが、日産が辞退することとなりトヨタが新たな御料車納入を提案。2005年にトヨタ
センチュリーロイヤルの採用が決定しました。
宮内庁は現在センチュリーロイヤルを4台を所有しており、それぞれに「皇1」「皇2」「皇3」「皇5」の皇ナンバーが与えられています。(ちなみに皇4ナンバーは欠番で存在しません)
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センチュリーロイヤルのベース車両は?
トヨタ センチュリー 2013年型
センチュリーロイヤルのベース車両は「トヨタ センチュリー」です。
センチュリーは、トヨタが1967年から製造している最高級の乗用車。日本でも大企業トップやオーナー、要人などが利用する「ショーファー・ドリブンカー(運転手付きの高級車)」として知られています。内装は本木目・本革シートを職人自らが手作業で制作しており、十分豪華な仕様です。エンジンは5.0L
V型12気筒DOHCを採用しています。
2017年秋の「東京モーターショー」において3代目となる新型センチュリーが初公開され、2018年から販売が開始する予定です。20年ぶりのフルモデルチェンジの発表は話題になりました。
豪華な仕様のセンチュリーをさらに上回る御料車「センチュリーロイヤル」の仕様はどうなっているのでしょうか。
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センチュリーロイヤルの特別な仕様
贅をつくした内装は豪華絢爛
《参考》トヨタ 新型センチュリーの内装
センチュリーロイヤルの内装はノーマルのセンチュリーからさらに高級感を高めています。画像が公開されていませんが、天井には日本伝統の和紙を、天皇皇后両陛下が座られる後部座席は最上級の毛織物を使用。乗降の際のステップには最高級となる御影石が使用されています。
ノーマルのセンチュリーが5人乗りなのに対し、センチュリーロイヤルは8人乗りです。
また、前席シートが革張りなのに対し、後部座席は毛織物。これは御料車が馬車時代からの名残りとも言われるためです。雨の際に濡れる前席は耐久性の高い皮、後部座席は滑りにくい布の採用は、現在でも最高クラスのリムジンが採用する様式となっています。
内装の詳細はベールにつつまれた部分が多くありますが、紹介した内容だけでも様式に則った贅沢な仕上がりであることが伺えます。
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サイドウインドウのデザインには理由が
【御料車】センチュリーロイヤル
— 六衛府 (@yukin_done) 2016年1月8日
国賓接遇用の皇3・皇5は防弾機能が強化されている。エンジンは1GZ-FE型 5000cc V型12気筒。片側の6気筒にトラブルが生じても、走行できるようになっている。製造 トヨタ自動車株式会社 pic.twitter.com/1Yl8sZH6mY
センチュリーロイヤルのサイドウィンドウは、後部座席側すなわち両陛下が乗られる側が通常のウィンドウ枠より拡大され、またCピラー後方のウィンドウも透明なガラスが採用されています。
これは、沿道から両陛下のお姿が見やすいようにとの配慮によるもので、センチュリーロイヤルが特別な車であることの証明ともなっています。
センチュリーロイヤルは万全の防弾仕様
昨日の・・・72回目の終戦記念日、全国戦没者追悼式からお戻りになる天皇皇后両陛下の車列にて、白バイの先導に続き両陛下御乗用のトヨタセンチュリーロイヤルをしっかりサポートするのは、現行型クラウンマジェスタでした! pic.twitter.com/lAKMp77syk
— ジョリートロリー (@bli1TBPrsEShCWz) 2017年8月16日
センチュリーロイヤルは防弾対策も万全です。なかでも国賓が乗車する際使用される「皇3」「皇5」の御料車では、さらに防弾仕様が強化されているようです。
防弾ガラスはもちろんのこと、タイヤも特別仕様のゴム製。タイヤがダメージを受けても走行可能です。一説によると爆発にも耐えられるということですが、象徴となる両陛下や国賓クラスが乗車する車ですから当然ですね。
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徹底された防音・静粛性能
センチュリーロイヤルには徹底された防音対策がとられ、高い静粛性能となっています。
詳細な仕様は公開されていませんが、ベースとなるセンチュリーでも「走る応接室」と言われるほどの静粛性能を誇りますから、強化が図られたセンチュリーロイヤルであればまさに「走る貴賓室」なのかも知れません。
観音開きのドア なぜ採用?
《参考》ロールスロイス ファントムの観音開きドア
センチュリーロイヤルのドア開閉は「観音開き」です。乗降や案内のしやすさ、さらに乗車している姿が見えやすくなるなどの理由で採用されていると言われています。
センチュリーロイヤル以外にも、英国の高級車として有名な「ロールスロイス ファントム」の新型モデルでは「観音開き」を復活させています。やはり御料車や最高級のリムジンでは、後部座席の乗降のしやすさという点で観音開きは重要なポイントなのかも知れませんね。
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国産車最大級のボディサイズと車両重量
センチュリーロイヤル | センチュリー(2代目モデル) | プリウス(現行モデル) | |
---|---|---|---|
全長 | 6,155 | 5,270 | 4,540 |
全幅 | 2,050 | 1,890 | 1,760 |
全高 | 1,780 | 1,475 | 1,470-1,475 |
ホイールベース | - | 3,025 | 2,700 |
車両重量 | 2,920(標準車) 3,270(特装車) | 1,990-2,070 | 1,310-1,460 |
乗車定員 | 8 | 5 | 4-5 |
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人 |
上表は「センチュリーロイヤル」「センチュリー」「プリウス」のボディサイズ比較です。
ベースとなるセンチュリー2代目モデルに比べて、全体的に大きくなっていることがわかります。センチュリーロイヤルは御料車のためにボディも特別に造られたモデルであると言えます。
ちなみに、トヨタ車で2017年の国内売上ナンバー1を誇るプリウス現行モデルと比較すると、2倍以上の車両重量である点にも驚きです。
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天皇陛下生前退位で御料車はどうなる?
※
— 風 Ⅱ (@kimagasenohaha) 2018年3月5日
天皇彌榮(スメラギイヤサカ)
天皇・皇后 両陛下の軌跡
ご帰国
羽田空港
皇后陛下に手をさしのべられる天皇陛下
平成29年3月6日(月)
◇皇居東御苑「ウメ(白加賀)」
◇ベトナム・タイご訪問から羽田にご到着
◇皇居 山下通り pic.twitter.com/5ZieZ90Cgz
天皇陛下の生前退位を2019年4月に迎えるなか、御料車となるセンチュリーロイヤルはどうなるのでしょうか。
まだ正式な発表はなされていませんが、質素倹約を常日頃から心がけていられる陛下や皇太子ですから、御料車についてもそのまま使用されるのではないでしょうか。
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センチュリーロイヤルの車両価格は?
センチュリーロイヤルは一般には販売されていませんので、車両販売価格は不明です。
しかし、宮内庁に納入された際の「納入車両価格」が公表されており、標準仕様のセンチュリーロイヤルでは5,250万円、防弾機能が強化された特装車では9,450万円です。価格の面でも最上級と言えますね。
過去の御料車も豪華なラインナップ!
ロイヤルウエディングの実況見てるんだけど、ロールスロイスがかっこよすぎる!!(≧∇≦)b
— novmatsu (@novmatsu) 2018年5月19日
やっぱウチもプリンスロイヤル取っとくべきだったよなぁ。。。(´・ω・`) pic.twitter.com/HjL11ZwfPT
現在の御料車「センチュリーロイヤル」は6代目にあたりますが、歴代の御料車にはどんなモデルがあるのでしょうか。以下は、過去に御料車として選ばれたモデルです。
初代:デイムラー ランドレー57.2HP(イギリス)※上ツイートの車両
2代目:ロールスロイス シルヴァーゴースト(イギリス)
3代目:メルセデス・ベンツ 770(ドイツ)
4代目:キャデラック 75リムジン(アメリカ)
5代目:日産 プリンスロイヤル(日本)
6代目:トヨタ センチュリーロイヤル(日本)
5代目では国産として初となる「日産
プリンスロイヤル」が御料車に選ばれました。プリンスロイヤルは、日産自動車と合併することとなった「プリンス自動車工業」が開発・製造しました。センチュリーロイヤル同様に一般販売は行われていません。職人による手作りとも言える車で、内装には西陣織が随所に使用されるなど贅を尽くした造りに仕上げられていました。
天皇家の公用車は?
御料車のなかには「皇ナンバー」が付けられた公的なお出ましに使用される車と、それ以外の公務に使用される「品川ナンバー」が付けられた車、通称「公用車」が存在します。
天皇ご両家の公用車をご紹介します。
皇太子御一家はトヨタ アルファード
トヨタ アルファード
皇太子御一家が使用されている公用車には、「トヨタ センチュリー」のほか、「トヨタ アルファード」などがあります。過去には、御一家が静養のため那須や御料牧場を訪れた際「トヨタ アルファード」がしっかりと映像として捉えられています。
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秋篠宮御一家は三菱 プラウディアとディグニティ
三菱・ディグニティ VIP(BHGY51型)
— 立花佳昭【Arnval Mk2】 (@impreza_15i_s) 2018年2月27日
至高の品位
プラウディアと同様、日産自動車の高級車でもある「シーマハイブリッド」のOEMとして2012年7月に登場。ベース車のシーマハイブリッドと同様、1モーター+2クラッチのハイブリッドシステムを採用する。 pic.twitter.com/0Yl9m4g8yj
日産 ディグニティ
秋篠宮御一家の公用車には、三菱の最上級リムジンとされる「ディグニティ」や「プラウディア」、「トヨタ アルファード」、「日産 フーガ」が使用されているようです。
「三菱
ディグニティ」は初代のみ独自開発、2代目は「HGY51型シーマ」のOEM供給となったモデルですが、秋篠宮家には、初代・2代目とも公用車として納入されています。秋篠宮眞子様の公務でも「三菱2代目ディグニティ」が映像として捉えられたシーンが残っています。
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天皇陛下の愛車はインテグラ?
ホンダ インテグラ 2代目モデル
天皇陛下の現在の愛車は1991年型の「ホンダ インテグラ」で、30年近くも大切に乗られているとのこと。今でも皇居内を皇后陛下同乗のもと、運転を楽しむ日もあるそうです。皇太子時代は「プリンス グロリア」が愛車だったと言われています。
生前退位が間近にせまるなか、退位後には激務とされる公務から離れ、ぜひゆっくりとお二人でドライブを楽しんでいただきたいものです。
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